プレッスコールのインタビュー
・Masaki Okada (Terrence)
岡田将生 (テレンス・エイブリー)
・Tae Kimura (Elizabeth)
木村多江 (エリザベス・プリチャード)
・Toru Masuoka (Harold)
益岡 徹 (ハロルド・プリチャード)
reporter
明日からついに初日です。皆さまのお気持ちをお聞かせください。
Masaki
1ヶ月みっちり稽古できて、みなさんと台本の解釈が少し深まった状態で稽古ができたので、 お客さんに自信を持って良さを届けられるのではないかと思います。
Tae
明日から初日なのですが、まだ一回もうまくできたことがなくて、大丈夫かなと不安でいっ ぱいなのですが、共演者の方が心強くて素敵な方ばかりなので、みんなで助け合おうという 風になって。作品自体はとても面白く重厚で大人な芝居で、魅力的な大人たちが作品を盛り 上げてくださるので私もそれに付いて行って頑張りたいと思っています。
Toru
今日まで1ヶ月ちょっと稽古場でやってきて、幕が開いてからまた1ヶ月間家族以上に長い時 間を一緒に過ごすことになると思うのですが、そういった意味で、また一段と深まる関係に なるというか。芝居の内容的にもそうなっていくと思いますし、楽しみにしています。
reporter
みなさんの役柄について、また役作りのポイントについて教えていただけますか。
Masaki
僕はテレンスという役で、10年来の親友であり、お二人(木村さん演じるエリザベスと益岡 さん演じるハロルド)の息子であるエドガーが亡くなってしまって、彼とお付き合いしていた ことによってお二人の家庭に入っていくことになります。そこで、エドガーの幽霊が僕に取り 憑いていろいろなことを伝えていく、という役柄です。 役作りでは、子供をいっぱい見ました。10歳から12歳くらいの子供の動きとか仕草とか声の 高さとか、いろいろ研究して今回臨みました。
Tae
私はエリザベスという女性の役で、夫は益岡さん演じるハロルドです。私たちの子供が亡く なって10年経っているんですけど、暗闇から抜け出せない女性です。 役作りは、まず日本人ではなくイギリス人の話なので、イギリス映画をたくさん見て、あとは 時代背景が少し古いので時代背景がわかるような映画を見たりしました。また薄幸な役をや らせていただくので、その中で強さと悲しみと果てしない深さと闇のようなものを、2時間の 中でどれだけ変化を持って伝えられるか考えながら臨みました。
Toru
現代のイギリス人が書いた1930年代を舞台にした作品で。イギリスの炭鉱主の話で、そこを 訪ねた青年と亡くなった息子、そしてその夫婦と、これだけ絡まり合った舞台になっていま す。僕たちの息子が死んでしまったことで、夫婦の間の断絶とか、親友が夫婦の日常を取り戻 せないかと訪ねてきてくれたりとか、テレンスが私たちの息子に憑依されたりとか、そこから 病的な奥さんがどうなっていくかとか。強くて、炭鉱主たるもの男はこうあるべきだと話して いた私が実は意外ととらわれてしまっている部分があったりという点はよく書けているなと 思いました。最初台本読みを長くやって、その時に感じたこととかが今でも思い出されるく らい発見があって、それがお客さんにとっても大きな要素になるのではないかと思っていま す。
reporter
岡田さんは、木村さんと益岡さんと舞台での共演は今までありますか。
Masaki
お二人とも今回が初めてです。
reporter
改めていかがですか。
Masaki
舞台上で色々教えてくださり、見せてくださることもたくさんあって。今回の芝居は台詞がと ても大切で、言葉の伝える力を見習っています。お二人は今回たくさん台詞がある中で、とて もダイレクトに心に響いてくる会話のキャッチボールをなさっていて、勉強させてもらってい ます。
Toru
彼も、憑依された時の止まらない感じは凄いですよ。見どころになると思います。
reporter
日本での初演であるということについて、演じるにあたってどう思っていますか。
Masaki
色々と考えてしまうとプレッシャーになってしまうので、演出家の上村聡史さんに付いていこ うという気持ちと、あとは上村さんに演劇というものを教えてもらっています。僕は舞台の経 験がまだあまり多くないので、この作品を通して演劇のことを学びたいと思ってやっているの もあり、初演だとか難しいことはあまり考えないようにしています。
reporter
木村さんは先ほど「まだ一度もうまくいってない」とおっしゃっていましたが具体的には?
Tae
台詞が完璧に言えないんです(笑)
Toru
そんなことないですよ(笑)
Tae
こうやってみなさん守ってくださるんですけれど、一回もできてなくて...この後ゲネプロがあ るのでそこで完璧にやって本番に臨みたいなと。あと、みんなすごくゲラなんです。真面目な 芝居なのに、すぐ吹き出してしまったりニヤニヤしてしまって。岡田さんが倒れているシーン でカクンッてなってて、あれ寝ているのかな?と思ったり
Masaki
全然守り合ってないじゃないですか、めっちゃ攻めちゃってますよ(笑)
Tae
温かく見守って、「起きて!」と思いながら芝居をしています。
Masaki
寝てないです、大丈夫です(笑)
reporter
シリアスな芝居なんですよね?
Tae
真面目にやってるんですけど、益岡さんが急に面白かったりして。
Toru
それがね、そんなつもりは全くないんですけど。ただ一点だけ、岡田くんが倒れているシーン で本当に寝るのはいいんだけど、
Masaki
寝てないですって!
Toru
本当に寝た時に、起きてびっくりしないといいなと思います。
Masaki
でも確かに本当に長い時間横たわっているシーンがありまして、そこから起きて爆発的に芝居 をするシーンがあるので、
Toru
寝ていられないよね(笑)
Masaki
寝てないです(笑)
Tae
貯めてるんだよね。
Masaki
そうです、貯めてるんです。
Tae
でもその時ちょっとニヤニヤしてたりとか吹き出しそうになったりしてて、その顔を見るとま た私も吹き出しそうになって。真面目なお芝居だけに、ゲラが揃っているのは危険ですね。
reporter
岡田さんの印象はどうですか。
Tae
岡田さんは、悪い役をやっていたのを拝見していたことがあって、怖い人なのかなと思ってい たけれど、実際は、雨に濡れた捨てられた子犬みたいな、可愛らしい印象です。そして誠実に 真面目にやっていて。舞台の最初からたくさん台詞があるのに、立ち稽古の初日からバーっと 台本外して台詞が言えて、忙しいのに真面目に取り組んでらっしゃるんだなと、こっちも焦っ て触発されています。
reporter
今日大丈夫ですか?
Tae
頑張ります。
reporter
一番苦労した点はありますか。
Masaki
お話のネタバレになるところが一番大変で。お芝居の一番最後に益岡さんに、なぜここにき て、なぜ取り憑かれてというのを全て伝えるシーンがあるのですが、とても長い時間言葉で益 岡さんに伝えるという。それがなかなかずっと喋っているので大変ですし、最後に全てが回収 されていく見どころでもあるので、頑張ろうと思っています。
reporter
そのシーンの益岡さんはいかがですか。
Toru
そこのシーンは一方的に語られているのエスが、そこの内容が驚天動地なものなのでみなさ んには申し上げられないのですが、見どころとして大きいと思います。それから、先ほど話し た、僕の弱みをさらけ出されるシーンもありますし、奥さんからも拒絶というか、勇気づけ という形で別れを告げられるという。これは言ってよかったのかな?(笑)作品のテーマとして 「愛情」というものも感じています。サスペンスもあるので表面で起きていることからなかな か愛を感じられないこともあるかもしれないけれど、基本的には愛情の濃淡がある気がして います。
reporter
岡田さんは益岡さんと木村さんと初共演とおっしゃっていましたが、チームワークはどうで すか。
Masaki
いま見ての通り穏やかに、助け合いながら。僕はこのメンバーの中では年下なのですが、本 当にいいようにみなさんが自由にやっています。あまり気を使わず自由にお芝居ができるカン パニーだなと。
Toru
やりやすい?
Masaki
はい、とても!
Tae
毎日みんなでゲラゲラ笑ってますし。
reporter
最後に改めてPRの方をお願いします。
Masaki
テーマが愛と喪失と再生の三つを軸に動いていくお話です。僕たちの言葉の力を皆さんの耳 に、脳に、届けたいと思っております。みなさんお時間ある方は舞台の足を運んでいただけれ ばと思っています。よろしくお願いします。14日からシアタークリエでやって、全国も回り ます。
Toru
岡田さんの代表作になるかもしれない。
Masaki
舞台は本当に学べる場所なので。1ヶ月間学んできたことを100パーセントの形でお届けでき ればと思います。
all
ありがとうございました。
(「さゆり」によって転写されました。)
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